Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
やっぱりぐれている、ここは呉竹の根岸の里の御行の松、番町だの、四谷だの、何を言っているのだ、そんなことで訪ね先がわかるものか、もっと要領のよい名ざしがありそうなものだと、お絹は心の中でそれをあざけりながら、庭を辿って、いっそ万年青をよして柳にしてみようかというような気にもなり、木々の枝ぶりを物色して、ちょうど先日、神尾が、凧を飛ばした子供らのために入場を許した裏木戸のところで立ち止まると、ついその外で、
「もし、あの、この辺に四谷の大番町様のお控え屋敷がございましょうか」
外から、自分のいる気配を見て取って問いかけたらしいから、お絹は無愛想に、
「存じませんよ、よそをたずねてごらんなさい」
「その声は、もしや御新様ではございませんか」
「おや?」
同時にお絹も、聞いたような声だと思いました。
それにしても、やっぱりまだあんな黄いろい声で、御用聞程度のほかのものではないと思っているから、聞いたような声ではあるが、誰がどうとも見当がつかないでいると、
「神尾様の御新様、お絹さまではございませんか、わたくしは忠作でございますが」
「あっ」
お絹は、なぜ、今まで、それならそうと気がつかなかったかと思いました。