Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
……と同時に、その家々の、あるいは簾を透き、あるいは葭戸に照り映えている燈火のいろは、夫婦かけ向いの、そうでなければ親子水入らずの、そうした人交ぜしない、優しい、しみじみした生活のこの世にあることを、何年ぶりかに、わたくしの胸にささやいてくれた。
「関西はまた水の騒ぎだ」
「またですか?」
「山が崩れて家がつぶれたりしている」
「まァ……」
「藤吉つぁんのいるところは大阪のどこだっけ?」
「ええと、あれは。……何んとかいう……」
「大阪の市内じゃァなかったろう?」
「市内じゃァありません、田舎です。……何んでももう京都に近いほうだということを、だれかに聞いたと思いますけど……」
「と、あぶないぞ。……今度騒いでいるのは、どッちかといえば京都に近いほうだ」
「まァ、そうですか?……けど分りませんわ、あの人のことだから。……いないかも知れませんわ、もう、大阪に……」
「そういえば、今年は、いつも欠かさずよこす人が年始状をよこさなかった」
「ですもの。……大阪にいればよこしますよ。……去年だって、一昨年だって、ちゃんとそこからよこしているでしょう?」
「うん」
「じゃァ、そうですわ、きッと。