Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
二
商人のうちに生れたわたしたちにとって門のある住居ほど心をそそるものはなかった。
……「浅倉屋の露地」を出抜けたわたしはそのまま泥溝にそって公園の外廓を真っすぐにあるいた。いまのパウリスタの角を右に切れて――その左っ角に大鹿という玉ころがしがあった――いうところのいまの「でんぼいん横町」を「仲見世」へ出たのである。
二
……と、簡単にそういってしまえばそれだけである。が、片側「伝法院」の塀つづき、それに向いてならんだ店々だから、下駄屋、小間物屋、糸屋、あるへい糖を主とした菓子屋、みんな木影を帯び、時雨の情をふくんで、しずかにそれぞれ額をふせていた。額をふせて無言だった。――それには道の中ほどに、大きな榎の木あって逞しい枝を張り、暗くしッとりと日のいろを……空のいろを遮いていた。――その下に古く易者が住んでいた。――いまの天麩羅屋「大黒屋」は出来たはじめは蕎麦屋だった。
したがってそこへ出る露店も、しずかにつつましい感じのものばかりだった。いろは字引だの三世相だのを並べた古本屋だの、煙草入の金具だの緒締だのをうる道具屋だの、いろいろの定紋のうちぬきをぶら下げた型紙屋だの。