Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
……すなわち例月二十八日の賑い……むかしながらの、うちみはむかしにちっともかわらない昼縁日のあらわなけしきがありました。
まえに、うしろに、右に、左に、いくつにもわかれて出来た人の輪の、そのほうぼうの間を縫ってそこにもここにも荷を下ろしたおでんや、パンや、氷や……浪の花をうず高くもり上げたうで玉子や、旗を立てたアイスクリームや、赤い薄荷を硝子の壺に入れたお好み焼や。……ですが、天気のわるいせいか、どの荷のまえにも、屋台のさきにも、うらみッこなしに一人の客も立っていないので。――いえば、だから、いたってのしらじらとした感じ……
第一の人の輪のなかをわれわれは覗きました。盲目が浪花ぶしをやっていました。ひしゃげた鳥打帽子にお約束の色の剥げた紋つきの羽織、四十恰好の小柄な男が三味線を抱えてしきりに牡蠣のような眼をむいていました。何をやっているのか分らなかったものの、津の国屋津の国屋とうるさくいっていたのに徴して「安政三組盃」かも知れないとおもいました。――抱えた三味線の、どの糸だかの切れてだらりと下っているのも惨めな感じでした。
第二の人の輪のなかを覗きました。