Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
そうして、いまよりもっと薄暗い、陰気な、せせっこましいそのみちの感じは、そのガタ馬車の、しばしば馬に鞭を加える苛酷な馭者の、その腰にさびしく巻きつけられた赤い古毛布のいろがよくそれを語っていた……とわたしは微かにおぼえている。
だから、わたしの、学校で毎日顔をみ合せる友だちは、南は並木、駒形、材木町、茶屋町、(まえにいったように、すこしのところで、わたしの近所からはあんまり通わなかった)北はその花川戸、山の宿、金龍山下瓦町。――猿若町、聖天町を経て、遠く吉野町、山谷あたりから来るものばかりだった。まれには「吉原」からもかよって来た。――というと、いまでもわたしの覚えているのは、まだわたしの尋常二三年の時分、運動場にならんでこれから教場へ入ろうとするとき、その水を打ったような中で、突然うしろから肩さきをつかんでわたしは列外に引摺り出された。そのまま運動場の真ん中に、一人みっともなくとり残された事があった……
わたしの記憶にもしあやまりがなければ、わたしはそのとき泣かなかった。なぜならどうしてそんな目にあうのか自分によく分らなかったから。それには、それまで、柔和しいというよりはいくじのないといったほうがほんとうの、からきしだらしのなかった、臆病だった、そのくせいたってみえ坊だったわたしは、いまだ嘗て、そうした