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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「呆れた野郎だ、それで手掛りもフイだろう。黙って正直に後をつけて行きゃいいものを」

平次の言うのは尤もでした。相手に覚られずに跟ける気になったら、思いの外早く曲者の身元が解ったかも知れないのです。

「親分、勘弁しておくんなさい。女に舐められたのは臍の緒切って以来だ」

「嘘をつけ、女には舐められ通しじゃないか」

「へッへッへッ、素っ破抜いちゃいけねえ」

ガラッ八は苦笑いをしながらピョコリと頭を下げました。これが精一杯の陳謝の心持でしょう。膝っ小僧がハミ出して、道化たうちにも、妙に打ち萎れた姿が物の哀れを覚えさせます。

三

銭形平次はガラッ八を伴れて、時を移さず御納戸町の一色家に乗込みました。一子綾之助が曲者に跟けられたとすると、隠れてコソコソ探索する必要はなかったのです。

道庵は御典医ではありませんが、上様の御声掛りで、万一の場合は城中にも御呼出しがあって、簾外から糸脈を引くことなどがあり、町医ながら苗字帯刀を許され、御納戸町に門戸を張って、江戸三名医の一人と言われるほどの人物でした。

早く妻に死に別れて、家族は一子綾之助と、その姉のお絹の三人きり、お絹は父の仕込みで、女ながら本草学に詳しい上、世にすぐれて美しく生い立ちましたが、父道庵の注文がむつかしいので定まる縁もなく、二十歳の春まで、白歯の美しさを山の手一円