Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
二
二
やがて、口上言いの男が、二た口の短刀を持出して、お松、お村に一本ずつ渡しました。見たところいかにもよく切れそうで、美女の裸身と、ひどく面白い対照になります。一つは短刀を受取るために、二人はどうしても乳房を隠した手を離さなければならなかったためでしょう。小屋一パイの客は、妙に興奮して、バラバラと気の揃わない手を拍っております。
やがて口上言いが、白扇を開いて、
「いよいよ海女は水底深く潜って龍王の顎を探ります。明珠は、お松、お村、どちらの手に入りましょうや、しばらくは一と囃し――」
と言うと、二人の海女は、身を跳らして、碧玉を湛えたような――少し底濁りのした水槽へサッと飛込みました。揚幕の中からは猛烈な囃しの音、特に銅鑼を叩いている、五十恰好の親爺は、妙にソワソワした様子で、首だけ出して水槽を覗いております。これは一座の太夫元、木戸に居る大年増の亭主で藤六という男、無人の一座で、女房は木戸番を、亭主は下座を勤めているのだと、後で判りました。
二人の海女は、しばらく人魚のように、水槽の中を泳ぎ廻りました。一人が浮けば、一人が沈み、一人が拵え物の木彫の龍に近づけば、一人がそれを妨げ、碧い水の中に、黒い髪、白い肌、紅の腰巻が乱れ合って、これはなかなかの見物です。