Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

八

「そうだろうと思う」

「泥棒さしておくのは勿体ねえ」

「馬鹿野郎、何を言う」

しかし、平次もガラッ八の言葉を承認しないわけには行きませんでした。後ろ手に縛られて、夕陽の中に立った娘の美しさは、眼も覚めるばかり。解き下げて無造作に束ねた髪、地模様の綸子の帯、町家風の木綿物の小綺麗な袷も身に合って、何とはなしに清らかさと美しさが溢れるのでした。

八

お墨付は返った――、曲者は捉まった。赤井左門の屋敷は夕陽に咲いた花のように陽気になりました。

しかし、それもほんのしばらく、女が子供に托して返した御墨付を受取った赤井左門、手を清めて改めると、御墨付に似せてはあるが、真っ赤な贋物の紙片だったのです。

「おお平次を呼べ」

縄付の娘を仲間部屋に伴れ込んで、いろいろ責め問うている平次は、即刻赤井左門の前に呼出されました。

「平次、御墨付は贋物だぞ」

「エッ」

「出発は明日に迫っている。この上手間取って、万一表沙汰になっては、過怠の罪は免れ難い。腹を切るのも易い事だが、上様御墨付を汚した上、赤井の家名を断絶さしては、何としても忍び難い。頼むぞ平次」

二千八百石取の殿様が、岡っ引風情に手を合せないばかり。