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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「…………」

ガラッ八は黙ってしまいました。せっかく神田から引張り出してきた親分の平次も、これでは源吉と大した変りはありません。弥助も、その倅の駒次郎も、職人の勝蔵も口には出しませんが――好い気味だ――といった顔で、ガラッ八の照れ臭い様子を眺めております。

「お隣はどんな人が住んでいなさるんで?」

平次は改めて弥助に訊きました。

「右の方は下町の物持のお嬢さんが一人、何でも妾腹で御本宅がやかましいとかで、下女が二人ついて暢気に暮していますよ、お名前はお町さん――」

「左の方は」

「御浪人ですが、これは大藩の御留守居をなすった方で、お金がうんとあります。町内の質屋に資本を廻して、お子様と二人暮し、――お子様といったところで、もう二十歳近いお嬢さんで、これはお綺麗な方です」

弥助は揉手をしながら、自分のことのようにニコニコしております。よほど浪人と懇意にしている様子です。

「お年は?」

「厄少し過ぎでしょうか、お名前は大里玄十郎様、立派な方でございます」

三

平次は一応現場を調べた上、町内の質屋へ行ってみました。

大里玄十郎の暮し向きの事を訊くと畳屋の主人が言ったのは、まるっきり大嘘、質屋へ資本を廻しているどころか、その日の物には困らないまでも、暮しが贅沢なのと、娘のお才が派手好みなので、内々、腰の物までも曲げることがある