Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
二
「この暮には祝言をすることになっていましたよ、親分さん」
専次の顔には悲痛な色が動きました。一生懸命、反ける眼が、ツイお今の虐たらしい死骸に牽付けられる様子です。
「お袋も承知か」
「それはもう――何だったら、本人に訊いて下さい、そこに居りますから」
二
「当人は?」
平次は重ねて訊ねました。
「当人もそのつもりでした、――この春から」
専次の返事のギコチなさ、――それは、喉まで込み上げて来る、大きな悲しみのせいでもあるでしょう。
「ところで、今晩、一刻(二時間)ばかり前から、どこに居たんだ」
「明神様の境内から、金沢町あたりを歩いておりました。何しろこんなに賑やかですから」
「お今と一緒に歩いているのを、見たものがあるぜ」
「そんな、そんな事が――親分」
専次はすっかりヘドモドしております。いや、それより驚いたのは、ガラッ八の八五郎でした。銭形平次は、八五郎のやった迎いで、ツイ今しがた自分の家から来たばかりで、そんな噂などを耳に入れる隙があろうとは思われません。
「この一刻ばかり、どこに何をしていたか、それがはっきりしなきゃ帰せねえが」
「親分、そりゃ無理ですよ、こんな人出ですもの、何百人に逢ったか判らないが、そのうちから、あっしの見知り人を捜すなんて、出来ない相談ですよ」