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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

銭形平次捕物控

一

一

「親分、このお二人に訊いて下さい」

いけぞんざいなガラッ八の八五郎が、精いっぱい丁寧に案内して来たのは、武家風の女が二人。

「私は加世と申します。肥前島原の高力左近太夫様御家中、志賀玄蕃、同苗内匠の母でございます。これは次男内匠の嫁、関と申します」

六十近い品の良い老女が、身分柄も忘れて岡っ引風情の平次に丁寧な挨拶です。

後ろに慎ましく控えたのは、二十二三の内儀、白粉も紅も抜きにして少し世帯崩れのした、――若くて派手ではありませんが、さすがの平次もしばらく見惚れたほどの美しい女でした。

「承りましょうか。私は町方の岡っ引で、御武家の内証事に立ち入ることは出来ませんが、八五郎から聴くと、大層お気の毒な御身分だそうで――」

平次は静かに老女の話を導きました。

肥前島原の城主高力左近太夫高長は、かつて三河三奉行の一人、仏高力と呼ばれた河内守清長の曾孫で、島原の乱後、ぬきんでて鎮撫の大任を命ぜられ、三万七千石の大禄を食みましたが、「その性狂暴、奢侈に長じ、非分の課役をかけて農民を苦しめ、家士を虐待し、天草の特産なる鯨油を安値に買上げて暴利を貪り」と物の本に書き伝えてある通り、典型的な暴君で、百姓怨嗟の的となっているのでした。