Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
九
「解りましたよ。親分、絵図面を換えたのは、藤兵衛じゃないと言うんでしょう」
「その通りさ。八、何だって今までそう言ってくれないんだ」
「親分の気の付かないような事が、あっしに解る道理がないじゃありませんか」
「どう致しまして」
二人は顔を見合せて擽ったく笑いました。
「で、親分、絵図面を置き換えたのは、やはり太吉で――?」
「それは違う、太吉にはそんな事が出来なかったはずだ」
「すると」
「来るがいい。俺には漸く曲者の正体が解ったよ。――神棚の絵図面を偽物と置き換えた人間の顔を見せてやる」
二人はもう一度末広町へ。
――その時はもう、春の陽が暮れて、街々に朧の夜が裾を引き始めておりました。
九
「あっ、危ない。――見られたくない人間が居る、そっと身体を隠せ」
平次に囁かれると、そんな事には馴れたガラッ八は、早くも塀の蔭に身を潜めました。
柏木の棟梁の家――死んだ藤兵衛の家の裏口のあたりに、ゆらりと動く人影、銭形平次の早い眼が、それを見つけたのです。
二つ三つ小さい柏手が鳴ります。何かの合図でしょう。
間もなく裏木戸が開いて、チョロチョロ出たのは、一と廻り小さい人影、外に待っている影にピタリと寄り添ったと思うと、不意に――