Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「誰だい」

しばらくゴトゴトさして、雨戸をガラリと開けたのは、四十五六の不思議な男です。

五

「俺だよ」

代って顔を出した平次。

「お、銭形の親分さん」

よく禿げてはおりますが、念入りに見ると、まだどこか若さの残った男。可哀想に寝たきりで、自分ひとりの力では、ちょっとも外へ出られません。

「遅くなって済まなかったな――ちょいと訊いておきたいことがあってね」

「どうぞ、親分さん、こんな時ですから、お役に立てば何でもやりますよ」

七平は縁側の端っこへ出て、月の射し入る中に小さく踞りました。妙な男ですが、それだけに物事に熱心そうで、平次の方がかえって引入れられます。

「殺された娘の敵が討ってやりたいが、お前、なんか知っていることはなかったかい」

「可哀想に、――良い娘でしたが――時折は、淋しかろうって、菓子を持って来てくれたり、草双紙を持って来て貸してくれたり」

七平はツイ眼をしばたたきます。小さい小さい離室で、恐ろしく簡素ですが、古物ながら一と通りの道具が揃って、何不自由なく暮している様子です。

「誰か、お三輪を怨んでいる者はなかったかい」

「怨んでいる者――とんでもない、死ぬほど惚れている者は多勢ありますが」