Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
「無駄を言わずに歩くんだ」
「だって、考えてみるとあっしはまだ晩飯にありつかねえ、無駄も言いたくなるじゃありませんか」
「…………」
「第一、助かって帰ったにしては、あの医者の浮かねえ顔が解せねえ」
「何だと」
「一色道庵は家へ帰ってもろくに物も言わず、土壇場に据えられたような陰気な顔をしているのはどんな訳でしょう、ね親分」
「フーム、それは不思議だ。何か深い仔細があるんだろう、急ごうぜ八」
「だがネ親分、あのお絹さんとか言う、お嬢さんは大した容貌だね」
「…………」
「それに確り者で、学問があって」
「解ってるよ」
そんな事を言いながら、二人は鉄砲丸のように一色道庵の門を潜りました。
中はガラッ八が言ったように、盆と正月が一緒に来たような騒ぎ、平次はガラッ八を門弟達の部屋に残して、とりあえず一色道庵に逢ってみましたが、困ったことに誰にさらわれて、十日の間どこに隠されていたか、その事に関する限りは、一言も漏らしません。
「平次親分、留守中は大層お世話になったそうで、お礼の申上げようもありません。お蔭で無事に帰って来ましたが、――いや訊いて下さるな。どこに何をしていたか、そればかりは言えません」