Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
銭形平次捕物控
一
一
人間業では盗めそうもない物を盗んで、遅くとも三日以内には、元の持主に返すという不思議な盗賊が、江戸中を疾風のごとく荒し廻りました。
「平次、御奉行朝倉石見守様から厳い御達しだ、――近頃府内を騒がす盗賊、盗んだ品を返せば罪はないようなものではあるが、あまりと言えばお上の御威光を蔑ろにする仕打だ。明日とも言わず、からめ取って来い――とおっしゃる、何とか良い工夫はあるまいか」
南町奉行付、与力筆頭笹野新三郎、自分とは身分が違いながら、親身のように思っている捕物の名人銭形の平次に、こう打ち明けて頼み込みました。
「ヘエ、――私も考えないじゃございません。盗んですぐ返すというやり方が第一気に入りません。恋の付け文、貧の盗みと言うくらいで、食うに困っての盗みなら、悪いながらも可哀想とも思います。盗んだ品を翌る日返すのは、盗みを道楽にしている人でなきゃア、私どもを翻弄っているに相違ございません、何とかしてあの野郎をフン捕まえなきゃア、銭形の平次も世間へ顔向けがなりません」
若い平次は、日頃の温厚な様子にも似ず、ツイ拳固で膝を叩きながら、縁側の敷居際までにじり寄ります。