Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
五
人間業とは思えぬ巧妙精緻な風太郎の手口を見ると、決して二人や三人の仕事ではなく、異常な頭脳と体力を持ったたった一人の仕業に違いないということがよくわかります。してみると、盗んだ品物を返しに来る、あの若くて美しい女というのが、怪盗風太郎本人でなければなりません。
一体、何のために盗んで、何のために返すのでしょう。返って来た小判や茶碗を見ると、疑いもなく元のままの真物で、贋物と摺り替えた形跡は少しもなく、あんなに骨を折って盗った癖に、鐚銭一枚身に着けないのですから、この泥捧の目的ばかりは全く見当も付かないのでした。
怪盗風太郎というのは、若くて美しい女だそうだ――という噂は、その日のうちに江戸中に拡がってしまいました。
五
「平次、また風太郎だ」
「ヘエー、今度はどこへ入りました」
与力笹野新三郎に喚び付けられた平次、面目次第もなく差し俯向きました。怪盗風太郎が江戸を荒し始めてからザット三月、江戸中の岡っ引が、腕に撚を掛けて競いましたが、何としても捉まえることが出来ません。特に捕物の名人とか何とか言われている銭形の平次、与力筆頭笹野新三郎から特別の言葉があっただけに、穴があったら入りたいほど恥じ入っております。