Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
「今度は少し困った事になった」
「とおっしゃると」
「小日向に屋敷を持っておられる赤井左門殿、二千八百石を食んで、旗本中でも屈指の家柄だ。知っているであろうな」
「殿様は四十がらみの立派な方、なお上様の御覚えが目出たいという評判でございますな――よく存じております」
「それなら話しよい。実は――その赤井左門殿のところへ風太郎が入った」
「ヘエ――」
「盗ったのは物もあろうに、上様お声掛りで勘定奉行から引渡された千両箱が二つ」
「エ――ッ」
これには平次も驚きました。千両箱が二つと言うと、金の相場で今日(昭和六年当時)の四万円ぐらい、物価の比例で割り出すと四五十万円にも当る大金です。
それに、この千両箱は並大抵の品ではありません。なお上様家光公が、京都の空与上人をことの外御信心で、上人のため洛北に一宇の堂を建立するため、二千両の寄進に付きましたが、表沙汰になると、何かと手続きが面倒、そっと勘定奉行に内意を含め、日頃目を掛けている安祥旗本中でも家柄の赤井左門を使者に立てて、別に家光公直々の祈願文を認め、二千両の大金と一緒に上方へ送ることになっていたのです。
赤井左門の出発は来月の一日、あと七八日の間、御墨付と二千両の大金を、奥の一と間に飾って、寝ずの番を付けるようにして守護したのですが、どこに隙があったものか、一と晩の内