Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
ガラッ八は何が何やら解らぬながら、忠実な犬のように飛んで行きました。
平次はそれ以上踏み止まってはいませんでした。その足ですぐ、石津右門の居る、大名の上屋敷へ向って行ったのです。
名乗るとすぐ通してくれたのは、奥まった一室、石津右門相変らず鬼の霍乱みたいな顔に、鬱陶しい皺を刻んで出て来ました。
「どうした、平次殿」
「『殿』は困りますよ、旦那、冷かされているようで――」
「そんな事はどうでもいい、絵図面はどうした」
「急には出て来ませんが、――実は公儀隠密の手に入ったことと思い込んで、心配いたしましたが、満更そうでもなかったようで――」
「何? 公儀隠密?」
「大丈夫ですよ、旦那。隠密なら太吉に強請られるはずもなく太吉にあんな金をやるはずもありません」
「太吉がどうした?」
「殺されましたよ。後ろ袈裟にバッサリ、曲者はよっぽどの手利きでしょう」
「それは大変」
石津右門も驚いた様子ですが、事件には何の判断もつきません。
「ところで、殿様はいつ頃御参府でしょう」
平次は妙なことを問いました。
「それが解らぬ、なにぶん公儀へは御病気の御届が出ているくらいだから」
「うんと脅しておやんなさいまし、殿様が江戸へ出ていらっしゃると、絵図面もたいてい戻ります」