Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
「御苦労様でございます、親分さん方」
「いっこう目鼻が付かないから、骨折甲斐もないよ」
「とんでもない」
「ところで、お前がこの家へ入ったのはいつの事だい」
「ちょうど三年前でございます。ヘエさんざん馬鹿を尽した揚句、あんな商売をしておりましたが、子供達がやかましく言って、義兄へ詫を入れることになってから、早いもんで、――もう三年になりますよ、ヘエ」
「時々は元の稼業が恋しくなるだろうね」
「と、とんでもない。堅気に越したことはございません」
「この家の中で、隠居を怨んでいるような者はあるまいね」
「あるわけはございません、皆んな義兄に養われていたようなもので。もっとも、世の中には間違った野郎があるもので、恩を仇で返さないとは限りませんが――」
「それは誰のことだえ」
「物の譬えでございます、親分さん」
「番頭は少しぐらいの費い込みがあるように聴いたが――」
「そんな事はございません。あれは半紙一枚誤魔化しの出来ない人間で――」
「万吉は?」
「正直者でございますよ。あれの親父の万助は、御奉行様から御褒美を頂くはずだったそうですが、義兄の稼業が稼業ですから、沙汰止みになりました。