Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
常見てはありとも見えぬ辺に、春来れば李や梅が白く、桃が紅く、夏来れば栗の花が黄白く、秋は其処此処に柿紅葉、白膠木紅葉、山紅葉が眼ざましく栄える。雪も好い。月も好い。真暗い五月闇に草舎の紅い火を見るも好い。雨も好い。春陰も好い。秋晴も好い。降る様な星の夜も好い。西の方甲州境の山から起って、玉川を渡り、彼が住む村を過ぎて東京の方へ去る夕立を目迎えて見送るに好い。向うの村の梢に先ず訪ずれて、丘の櫟林、谷の尾花が末、さては己が庭の松と、次第に吹いて来る秋風を指点するに好い。翳ったり、照ったり、躁いだり、黙ったり、雲と日と風の丘と谷とに戯るゝ鬼子っこを見るにも好い。白鯉の鱗を以て包んだり、蜘蛛の糸を以て織りなした縮羅の巾を引きはえたり、波なき海を縁どる夥しい砂浜を作ったり、地上の花を羞じ凋ます荘厳偉麗の色彩を天空に輝かしたり、諒闇の黒布を瞬く間に全天に覆うたり、摩天の白銅塔を見る間に築き上げては奈翁の雄図よりも早く微塵に打崩したり、日々眼を新にする雲の幻術天象の変化を、出て見るも好い。
四辺が寂しいので、色々な物音が耳に響く。鄙びて長閑な鶏の声。あらゆる鳥の音。