Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
鶴子の為に妻が作ったのである。
「此達磨さん西洋人よ、だって眼が碧いンですもの」と鶴子が曰う。
雪で、今日は新聞が来ぬ。朝は乳屋、午後は七十近い郵便配達の爺さんが来たばかり。明日の餅搗きを頼んだので、隣の主人が糯米を取りに来た。其ついでに、蒸かし立ての甘藷を二本鶴子に呉れた。
余は奥座敷で朝来の仕事をつゞける。寒いので、しば/\火鉢の炭をつぐ。障子がやゝ翳って、丁度好い程の明になった。颯と云う音がする。轟と云う響がする。風が出たらしい。四時やゝ廻ると、妻が茶を点れ、鶴子が焼栗を持て入って来た。
「雪水を沸かしたのですよ」
と妻が曰う。ペンを擱いて、取あえず一碗を傾ける。銀瓶と云う処だが、やはり例の鉄瓶だ。其れでも何となく茶味が軟かい。手々に焼栗を剥きつゝ、障子をあけてやゝしばし外を眺める。北から風が吹いて居る。田圃向うの杉の森を掠めて、白い風が弗、弗と幾陣か斜に吹き通る。庭の内では、蛾の如く花の様な大小の雪片が、飛んだり、刎ねたり、狂うたり、筋斗翻をしたり、ダンスをする様にくるりと廻ったり、面白そうにふざけ散らして、身軽に気軽に舞うて居る。消えかけて居た雪の帽が、また地蔵の頭上に高くなった。