Japanische Klassiker mit Furigana
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
Lesen Sie みみずのたはこと (みみずのたわこと) von 徳冨 健次郎 (とくとみけんじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 265.437 Zeichen · 530 Bildschirme
此処で夕立をやり過ごすかな、彼は一寸斯く思うたが、こゝに何時霽れるとも知らぬ雨宿りをすべく彼の心はとく四里を隔つる家に急いで居た。彼は一の店に寄って糸経を買うて被った。腰に下げた手拭をとって、海水帽の上から確と頬被をした。而して最早大分硬ばって来た脛を踏張って、急速に歩み出した。
府中の町を出はなれたかと思うと、追かけて来た黒雲が彼の頭上で破裂した。突然に天の水槽の底がぬけたかとばかり、雨とは云わず瀑布落しに撞々と落ちて来た。紫色の光がぱッと射す。直ぐ頭上で、火薬庫が爆発した様に劇しい雷が鳴った。彼はぐっと息が詰った。本能的に彼は奔り出したが、所詮此雷雨の重囲を脱けることは出来ぬと観念して、歩調をゆるめた。此あたりは、宿と村との中間で、雷雨を避くべき一軒の人家もない。人通りも絶え果てた。彼は唯一人であった。雨は少しおだれるかと思うと、また思い出した様にざあ※(二の字点、1-2-22)※(二の字点、1-2-22)ドウ※(二の字点、1-2-22)※(二の字点、1-2-22)と漲り落ちた。彼の頬被りした海水帽から四方に小さな瀑が落ちた。糸経を被った甲斐もなく総身濡れ浸りポケットにも靴にも一ぱい水が溜った。