Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
「といって、本人に返してやるわけにもいくまい」
「それはそうですけれど……あんまり因縁も過ぎますからね、何とかしなければ、あのおばさんの恨みが、どこまでついて廻るか知れません」
「恨みが消えないのだ」
「いいえ、わたしは、あのおばさんに恨まれるようなことは、決してしてはおりません、もし、わたしたちについて廻っているとすれば、あのイヤなおばさんは、死際に、何かわたしたちに思い残すことがあって、それを言いたいがために附いて廻るのかもしれません」
「そんなことかも知れぬ」
「そうだとすれば……わたし、変な気になってしまいます、イヤなおばさんはイヤなおばさんに違いないけれど、わたしに対して、何もイヤなことをしたわけじゃなし、わたしを贔屓にして、ずいぶん可愛がってくれたおばさんなのではなかったか知ら……」
四十一
お雪ちゃんは、ここでなんだか今までの無気味な、陰惨な気分が、どうやらあわれみの心に変ってゆくように、自分ながら気が引けてならなくなりました。
「あのおばさん、決して悪い人じゃないわ、わたしには、悪い人とは思われない」
「好きな人かな、あれが」
「好きとはいえないけれど、人が、イヤなおばさん、イヤなおばさんというほど、悪い人じゃないと思われて仕方がありません」