Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme
それは、向う見ずとお叱りを受けるかも知れませんが、いずれ、旅という旅で、向う見ずの旅でないものが一つとしてございましょうか。人間の一生そのものを旅といたしますると、出ずる息は入る息を待たぬ、とか申します、今日のことがあって、明日のことを誰が知りましょう。なあに、あなた、わたくしの心得違いは心得ちがいに相違ございませんけれども、玄奘三蔵渡天の苦しみに比ぶれば、これは日本国のうちの、僅かに信濃の国のこと――」
この辺に来ると一座が、ようやくこのお喋り坊主が、容易ならぬお喋り坊主であることに、ややおそれをなした様子でありました。これにのべつ喋らせたら、たまらないのではないのかとさえ、おそれ出したものもあったようですが、さりとて、それを抑止すべききっかけもないままでいると、弁信はいっこう透さず、
「なんに致しましても、わたくしがあの雪の大野ヶ原の中に立ちすくんでおりました時に、ふと、わたくしの耳許で私語く声がいたしました。それは人間の声であろうはずがございませんが、人間同様のなつかしさを伝えてくれる、小鳥の声でありました……」
と言って、弁信が小首を傾けたのは、その話題にのぼった場合の小鳥の声を、再び耳にしたからではありません――そこで暫くお喋りの糸をたるめていたが、全く調子をかえて、