Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠13 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 349.705 Zeichen · 678 Bildschirme

Aozora Bunko

「京の伏見の豊後橋の片蔭に笹垣を結び、心を行く水の如くにして世を暮しぬる一人の盲人ありけりと思召せ……」

「なるほど」

「ある時、問屋町の北国屋の二階座敷で、二十三夜の晩……客の所望によって一節切の『吉野山』を吹いていますとね、お茶の通いをする小坊主が箱階子をトントンと上って来る足音を聞いて、ああ油をこぼすよと言う途端、立てかけて置いた板戸がたおれて、小坊主は怪我をした上に、手に持っていた油差の油をこぼしてしまったという話。やがて笛を止めて一座が、この盲人の勘をためすために、二階の欄のところから、いま大道を通る人は何者と尋ねてみると、盲人は足音の調子に耳傾けていたが、これは婆さんの手を一人の男が曳いて行く足音でございますが、男の方は何か気忙しい心配があるらしい顔色、足どりの忙しさでよく分ります、してみると、多分、女の方は取上げ婆さんでございましょう……という返事、人をつけて見ると、手を曳いた男が言うことには、しきりが参りましたら、腰はわしでも抱きますが、とてものことに男を生んでくりゃあ有難い……と言ったので、大笑いして引返す。さてその次に通る者は……ははあ、これは二人だが足音は一人と盲人が言う、見れば下女が小娘を背負って行くのであった。