Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
……「つらあかり」といわないで「おもあかり」とこれを読んだものでした。
はじめのうちは誰も音なしくだまって聞いていましたが、あんまりその句が抜けているんでとうとうたまらなくなったらしいその作者、「おもあかりじゃァありません、つらあかりで」と、遠くから大きな声で訂正しました。
「つらあかり?……」
急にそういわれて、先生、それがくせの眉をすこしひそめるようにして「おもあかりじゃァいけませんか?」
「いけませんとも!」
先生のその、にわかにそれを肯いそうにないさまをみると、作者に代って、矢っ張その句を抜いたとおぼしい選者の一人が言下にそうはッきりいいました。「どこの国へ行ったってそんなおもあかりなんてものはありません。」
いかにも歯切れのいい言い方なのにみんな思わず声のほうをふり向きました。そこにいたのはGというその会の定連の、代言人時代からの古い弁護士、あから顔の、白い髭をはやした老人で、平生いたって色ッぽい意気な句の好きな、そのくせ口のわるい、皮肉な、始終酒の気をたやさないでいるという大江戸ッ子でした。
「では訂正いたします、『おもあかり』ではなく『つらあかり』