Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
子供の仮面が、あるとき、痛快に、もののみごとに引ッ剥がれた。その英語の時間にである、その時間に香取先生によってである。
「勉強せい!」
一ト言……たったそう一ト言いわれてすくみ上った。
というのも重々こっちがわるかったので、忘れもしない、神田リーダーの、あなたはわたくしよりせいが高い、かれはあなたよりせいが高い、かれは三人のうちで一番せいが高い。……そこんところを香取先生、噛んでくくめるように、一ことを幾度も、しかくあなたはわたくしよりせいが高い、かれはあなたよりせいが高い、かれは三人のうちで一番せいが高いとそればかりくり返すのをじれったく、もういい分った、いつまでおんなじことをいっているんだ、と甚だ不届きに、わきを向いて、となりのものとわたしは話をはじめた。――勿論なんの話、どんな話をそのときはじめたかはおぼえていないが、どのみち公園の、加藤剣舞の最近替った演しものについての話か、でなければ押川春浪の『海底軍艦』の話か、でなければすぐもうそこに眼のまえに迫った四万六千日の話か……なぜならそれが一学期の末の、すぐもうあかるい夏休みになるであろう時分だったから。