Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme

Aozora Bunko

……それにはまた倍余り広くなった道幅がそうした光景を許す機縁になったこともたしかである……

狂燥な「新しい町」にも年月はふりつもった。

わたしは薬屋と小料理屋とを両角にもった「昭和通り」という狭い横町を入った。そこがむかしの、しずかな、おちついた、しめやかなあの往来のあとに違いないと思ったからである。が、そこには、こまごました商店の、平凡な規則ただしい羅列があるばかりだった。

「こんなはずでは?……」

そう思いつつわたしはさきへすすんだ。――と、わたしは、いつかその往来を出外れていた。――いつかわたしは「米久」のまえの、人通りのいそがしい往来の中に立っていた。

「此奴は……」

やや狼狽ててわたしは引っ返して。――左へ曲れる道を発見して試しにそれをえらんだ――飽っ気なくわたしは昭和座の横へ出た。

縦横十文字。――整然とした十字路……

「そうかなァ」

ひそかにわたしは嘆息した。分り切った話の、「十二階」のあとは「昭和座」になったのである。――はッきりそういえばいいのである。――よけいな心配をする必要はないのである。

ぼんやりわたしは踵を返した。――空は青く日のいろは濃い……