Japanische Klassiker mit Furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Lesen Sie 浅草風土記 (あさくさふどき) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.294 Zeichen · 318 Bildschirme
――念のため入ってみた。――長昌寺だった……
いえば、そこも、整然と片附けられた。有縁無縁の累々とした石塔も、鐘撞堂を失った釣鐘を埋めていた雑草も、トラックの音の響く水の上に睡蓮の花が咲いた古池も、震災のあとのいたましい限りをつくしたそれらの光景は、拭われたようにすべて除かれた。――と同時に、いくら探しても分らなかったわけである、正面の、本堂真っ直のむかしの道は、完全にふさがれて、べつに横に、その境内にかかわりのない新しい道路が、吉野町のほうへ一途にあかるく走っていた。
「なるほど……」
わたしは感心して、そこをもとの「第三九号路線」へ出た。――間もなく「痔の神さま」をみ出して、以前の曲りくねった道のいかに真っ直になったかということを悟るとともに、辛うじてたしかめえた方角をたよりに(という意味は、その横町、そのつもりで曲って来はしたものの、あるいているうちに、だんだん勝手が違って来たのである)そのままずっと吉野町の停留場へとわたしは出た。
電車通りの景色は以前の通りである。震災まえと同じである。……とはいっても、一つだけ違ったことがある。「八百善」