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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.597 Zeichen · 289 Bildschirme

Aozora Bunko

年の頃、せいぜい十九、二十歳、無表情で整いすぎて、少し白痴美に近い美しさですが、魂の通った人形を見るようで、それがまた限りない魅力でもあります。

寝巻の上へ袷を引っ掛けて、その上からキリキリと縛られている様子を見ると、暁方夢中で小用にでも起きたところを曲者に当身を喰わされ、そのまま縛り上げられた顛倒のうちに、後も先も忘れてしまったのでしょう。

「それにしても、私が来るまで、よく縄を解かずに置いてくれました」

平次は結び目を残して切った細引を、そのまま自分の袖に落しながら、中江川平太夫を顧みました。

「何かのお役に立とうと思ってな、縄を解いたり、雨戸を開けたりしちゃ、証拠をみんな掻き消すようなものだから」

平太夫は老巧らしくそう言うのです。

「ところで、盗られなすったのは?」

「大したことではない。当座の小遣のつもりで、出しておいた十二三両と、明日本郷の地所を求める約束で、用意した手付が五十両、合わせて六十二三両ほどじゃ、――そんな事で済むなら、世間を騒がせるまでもないと思ったがな」

大したことでないと言うのが六十何両、この浪人の裕福さは、予て聞いておりますが、八文の湯銭に困ったガラッ八は、顎を撫でながら平次と顔を見合せます。