Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
「そんな事は解るものか。親父へそう言ってくれ」
「親方はまだ寝ていますぜ」
「そんな事に遠慮をする奴があるものか」
勝蔵が主人の弥助を起して来ると、井戸端の騒ぎは際限もなく大きくなって行きます。
変死の届出があると、町役人が立会の上、四谷の御用聞で朱房の源吉という顔の良いのが、一応見に来ましたが、裏木戸やお勝手口の締りは厳重な上、塀の上を越した跡もないので、外から曲者が入った様子は絶対にないという見込みでした。
それに、丈吉はなかなかの道楽者で諸方に不義理の借金もあり、年中馬鹿馬鹿しい女出入りで悩まされていたので、十人が十人、自害を疑う者はありません。
「持ち合せた畳針で眼を突いて、井戸へ飛込むつもりだったんだね。ところがここまで来ると力が脱けて井戸へ飛込む勢いもなくなった――」
朱房の源吉は独り言を言いながら、もっともらしくその辺を見廻したりしました。
「親分の前だが、こいつは自害じゃありませんぜ」
不意に横合から、変な口を利く奴があります。
「なんだと?」
振り返るとそこに立っているのは、銭形の平次の子分で、お馴染のガラッ八、長い顔を一倍長くして、源吉の後ろから、肩へ首を載っけるように覗いているのでした。