Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
「肝腎のお袋は目を廻して、そこの家へ担ぎ込まれましたよ」
親一人子一人の評判娘が、この虐たらしい最期を遂げては、母親が目を廻すのも無理のないことでしょう。
「可哀想に――検屍が済んだら、早く引取らせるがよい。もうすぐ八丁堀の旦那方が見えるはずだから」
平次はそう言って、路地の外から覗く、物好きな眼の前へ、蓋になるように立っております。
「三輪の親分が、下手人を挙げて行きましたぜ、親分」
と、ガラッ八の声は少し尖りました。
「そいつは早手廻しだな、誰だい、その縛られたのは?」
「町内の油虫――釣鐘の勘六が、血だらけの匕首を持って、ぼんやり立っているところを、多勢の人に見られてしまったんで」
「なるほどね」
「あわてて逃出したところを、三輪の万七親分が通りかかって、いきなり縛ってしまいましたよ」
「それっきりかえ」
「あっしも見たわけじゃありませんが、縛られると、それまで呆然していた勘六が、急に狂ったように騒ぎ出したそうですよ」
「はてな?」
平次は考え込みました。勘六は五十男で、評判のよくない人間には相違ありませんが、十七娘をどうしようという歳ではなく、それに、お今は母一人娘一人で、人に怨まれる筋合などは、どう考えてもなかったのです。