Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
どうぞお助けを願います」
おろおろした調子ですが、それでも、折目正しく坐ってこう言うのでした。
武家風な前髪立ち、小倉の袴を着けて、短いのを一本紙入止めに差しておりますが、言葉の調子はすっかり町人です。
「どうなすったのです、詳しくおっしゃって下さい。次第によっては平次、及ばずながら御力になりましょう」
平次はそう言わなければなりませんでした。物に脅えた美少年の人柄や様子を見ると、その悩みを取り去ってやりたい心持で一パイになる平次だったのです。
「私は――牛込御納戸町の一色道庵の倅綾之助と申します」
「えッ、それではもしや、父上道庵様が?」
「ハイ、三人目の行方知らずになった本道(内科医)でございます」
「それは大変」
これは平次の方が驚きました。一色道庵というのは、町医者でこそあれ、その頃日本中にも聞えた本草家(今の博物学者)で、和漢薬に通じていることでは、当代並ぶ者無しと言われた名家だったのです。
それはともかく、平次を驚かしたのは、この三人目の行方不明ということでした。昨年の秋あたりから、江戸の本草学者が神隠しに逢ったように、相踵いで行方不明になっております。