Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうも有難う――だんだん判って来るような気がする」

お清が下へ降りて行くと、入れ違いにお浜が登って来ました。

お清の智的な美しさに比べて、健康そうな多血質なお浜は、別種の美しさを持った娘で、気の多い勘次郎に付け廻されたのは無理のないことでした。

「お浜さん、だいぶ若旦那と親しかったそうだが、昨夜、何か混み入った話をしたのかい」

平次は歯に衣着せずに浴びせかけます。

「いえ、――御新造さんが、そんな事を言うんでしょう」

「お前は、もう少しいろいろの事を知ってるはずだ、――第一、あの庖丁は誰のだ」

「知りませんよ」

「江戸では滅多に見かけない形だが――」

「…………」

妙な睨み合い、――空気は次第に硬張るばかりです。

「ね、お浜、――お前は下田の生れだと言ったが、吉三郎を知っているかい」

「いえ」

「吉三郎は相模者で、お前は伊豆、――海一つ向うだな、――手代の与母吉はどうだ。ちょいちょいお前を付け廻したというではないか」

「いえ、与母吉さんは御新造さんの方で――」

「仁助は?」

「…………」

お浜はそれっきり口を噤んでしまいました。

「親分、娘は苦手だね」

ガラッ八は、階下へ降りて行くお浜の後ろ姿を見送ってこんな事を言います。