Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
倅がどこにどうしておりますことやら、せめてその様子だけでも知りとうございます」
気丈らしい老母加世も、打ち明けて話した気の緩みに、畳の上に双手を突いたまま、ポロポロと涙をこぼすのです。
「…………」
平次は黙って腕を拱きました。岡っ引が飛出すにしては、少々相手が悪かったのです。
「君御馬前に討死するとか、武士の意気地で死ぬことなら、私は嘆きも怨みもいたしません。兄玄蕃を殿様御手に掛けられた上、弟内匠まで――配偶のことで斬られるようなことになっては、志賀家代々の御先祖にも相済みません」
こう言う老女の背後に、お関は消えも入りたい風情でした。三万七千石を賭けた美しさが、どんなにやつしても隠し切れないのを、平次は世にも不思議な因縁事のように見ていたのです。
「私どもの掛り合う事じゃございませんが、お話を承った上は、お気の毒で見ぬ振りもなりません。どんな事になるかは解りませんが、とにかく一応当ってみましょう。内匠様とやらがまだ御無事でいらっしゃれば、――事と次第によっちゃ、何とかならないこともないでしょう」
平次はツイこんな取返しのつかぬ事を言ってしまったのでした。