Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
「まずそんなところで」
「呆れた野郎だ」
そんな事を言いながらも、平次は手早く支度をして、あまり近くもない西久保へ出向きました。
高力左近太夫は、若くて無法で、界隈でもさんざんの評判でした。春参府の折も、松平大膳大夫の領内防州小郡の湊から上陸し萩城を一覧する所存で、一の坂を越え、蟹坂までノコノコやって行ったところを毛利の家中に発見され、生捕って江戸表へ訴え出、何かの下知を待とうと犇めかれて、あわてて元の小郡から海へ逃出した例があります。
その道、どんな料簡か、芸州広島城も見るつもりでしたが、浅野の家中に騒がれてこれも果さず、さんざんの体で江戸表へたどり着いたという、馬鹿馬鹿しい経験を持っている左近太夫だったのです。
つづいて今度の帰国、瀬戸内海は船で通すにしても、芸州と防州の沖を、無事には通れまい――と言った蜚語流説が、早耳のガラッ八を通して、平次の耳へも聴えて来ました。
「これは面白くなりそうだ。――相手は悪いが、一番川上何とかいう武家に逢ってみようか」
いろいろの噂をかき集めて、高力左近太夫その人の概念と島原藩の空気を呑込むと、平次は恐れる色もなく、西久保上屋敷御長屋に、用人川上源左衛門を訪ねました。