Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
兄上玄蕃様御手討になった上は、退いて志賀家の跡を断やさないのが祖先への孝行と申しまして」
「なるほど、内匠様はそのおつもりでなかったとおっしゃる」
「ハイ」
母性の本能と、臣節との矛盾に、母の加世と、夫の内匠がどんなに争ったことでしょう。そう言いながらも、お関は美しい顔を曇らせました。
ガラッ八はその間にも、横の方から首を伸べ加減に、お関の美しさを満喫しております。巨大な真珠に美人像を刻んで、その中に霊の焔を点じたら、或いはこんな見事なものが出来るかも知れません。愛も情熱も、叡智の羽二重に押し包んで、冷たく静かに取りなしたら、これに似た美しい人形が出来るでしょうか。
それもしかし、この上もなく質朴で地味な単衣に包んで、化粧さえも忘れた、お関の底光りのする美しさには比ぶべくもありません。
高力左近太夫が、三万七千石と釣り替えにしかねまじきお関の美しさ、ガラッ八が物も言わずに眺め入ったのも無理のないことでした。
「何もかも、内匠様御承知の上で運んだことでしょう。しばらく様子を見るといたしましょうか」
「ハイ」
お関は悲しそうでした。が、夫内匠の意志でしたことと判っては、どうすることも出来ません。