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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

美女の頸筋は後ろから、二太刀三太刀斬られておりますが、刃物がなまくらなのか、腕が鈍いのか、とうとう切り落し兼ねたままで、その上不思議なことに両掌をしかと、胸の上に組み合せているではありませんか。

「念の入った下手人だね、殺した上に合掌までさせて」

与吉はその死骸の合せた掌を指します。

「死んでから組ませては、こう爪が喰い入るほど固くはなるまい。――生きてるうちに、覚悟の掌を合せて首を切られたのだろう」

平次は死骸の指に触って、首を垂れました。

「覚悟の上というと?」

与吉の不審には構わず、平次はなおも、帯の間、袂の中、前も、後ろも念入りに見ましたが、紙片一つ持ってはいません。

「親分、大変なものに包んであるんだね」

ガラッ八は、死骸を包んだ茣蓙に気が付きました。

「備後表だ」

荒筵でもあることか、死骸を包んだのは真新しい備後表、縛った縄は、荷造り用のたくましい麻縄です。

「解るか、八」

「ヘエ――」

「覚悟の上のお手討だ。家来の腕利きにやらせたのでない証拠は、この切口の乱暴な様子で解るだろう。据物斬の腕がなきゃ人間の首は切れねえ」

「…………」

「奥座敷か奥庭で斬ったから、荒筵でも菰でもない、大納戸にでも入っている畳表に包み、荷造りの麻縄で縛って、不浄門から持出させたのさ」