Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
は手に取るごとく語り聞かせたのです。
「元の主君といっても、あまりといえば無法な仕打ち、この上の義理立ては天に反きます。まして、公儀の目をかすめ、御法を破って、参覲交代に身代りを使うとあっては、誰が何と言っても、この私が黙って見ちゃいられません。さア、すぐ帰りましょう。お母様のお供をして、奥州松前の果に暮したら、高力家の手も届くことじゃございません。――それとも、そこへ閉じ籠められて、出られないとでもおっしゃるなら」
「いや、出られる、私は縛られも、閉じ籠められもどうもしていない、が」
「それでは、内匠様」
平次は四尺の溝を飛越し、格子に双手を掛けて説き進むのです。
灯に反いた内匠の顔は、心持少し蒼くは見えますが、決然たる辞色は、それにも拘わらず、寸毫の揺るぎもありません。
「平次とやら、お前の言うことはよく判った。母上や妻のために、それほどまでに骨を折ってくれて、辱けない。礼を言うぞ」
「…………」
志賀内匠は首を垂れました。沁々とした調子に引入れられるともなく、平次も思わず固唾を呑んで鋭鋒をゆるめます。
「だが、な、平次とやら、よく聴いてくれ、妻には妻の道がある。