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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

「と、とんでもない」

辰五郎の驚きは、次第に深刻に恐怖と変って、やがて三十過ぎの立派な顔が、恐ろしい苦悩に引歪められるのでした。

「その時、お前は何か刃物を持っていたか」

新三郎の問は次第に現実の問題に触れて行きます。

「いえ、何にも持っちゃおりません」

「匕首とか、脇差とか――」

「あっしゃ真面目な職人で、そんなものに用事はございません」

「小刀とか、鑿とか――」

「仲間の参会へ商売道具を持ち込むわけはありません。持物と言っては、紙入と手拭と、煙草入と、それっきりでございました」

新三郎もハタと行詰りました。お常の茶屋を覗いたことも、綱吉がお常に巫山戯るのを見たことも、学寮の角を通ったことも、何の蟠りもなく話して退ける調子は、身に暗いところのある人間とは、どうしても受取れません。それに、恋敵の綱吉に逢うことを見通して、仲間の寄合へ、鑿を持って行くというのも考えられないことです。

「…………」

新三郎は、友次郎を顧みて、そっと目くばせしました。名与力と呼ばれた笹野新三郎にしては、これくらいのことで縄付きを町奉行の前へは差出せなかったのです。

「旦那様、その野郎は容易のことじゃ口を割りません。