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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme

Aozora Bunko

平次は全身の毛穴を悉く耳にしたように、それでも至って平静な足取りで、学寮の前へ差しかかりました。

後ろの足音は、十間、七間、五間、三間と迫ってハタと留まったようです。

恐ろしい予感――。

ハッと身を捻ると同時に、何やら平次の脇をかすめて、学寮の塀に発矢と突っ立ったものがあります。

「えいッ」

振り返った平次の手からは、早くも一枚の銭が飛びました。得意の投げ銭が、曲者のどこかへ当った様子です。

二人は三四間隔てて、しばらく闇の中に睨み合いましたが、平次の手練に驚いたか、それとも、たった一本の得物を失って諦めたか、曲者は踵を返すと、大横町の闇へ消えてしまいました。

平次はそれを追っても無駄なことをよく知っております。これほど巧妙な襲撃をする曲者が、もっと巧妙な逃げ路を用意しないというはずはありません。

学寮の塀に近づいて探ると、腰だけほどのところに、深々と突っ立ったのは一本の刃、力任せに引っこ抜いて、少し小戻りして常夜灯にすかして見ると、それは匕首でも、槍でも鑿でもなく、手品師や軽業師の使う、双刃の刀――あの宙に投げてお手玉に取ったり、床の上に突っ立てたり、見物の前で呑んで見せたりする、物凄い刀だったのです。