Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
「お前に心を寄せる男を片っ端から殺したので、お前はそれが恐ろしさに、自分で前歯を二本欠いたり眼へ紅を差したり、頬へ膏薬を貼ったり、顔へ煤を塗ったり、精々汚らしく見せようとしたんだろう」
平次はこう語り続けました。
「お前がみっともなくなるにつれて、首尾よく男は寄り付かなくなったが、その代り菊治は人殺しの味をしめて、鬼のような心持になったと言うのだろう。今度は焼餅でもなんでもなく、血に渇いた獣物のような心持で、闇の夜を狙って外へ出ては、見境もなく人を殺して歩いた――それに相違あるまい――俺はどうしてこんなつまらない事が見透せなかったんだろう」
こう言う平次の調子には、少しの誇らしさもありません。
「…………」
お常も、新三郎も友次郎も、この明察の前に固唾を呑みました。
「お前と菊治が子供の時から一緒に育ったせいか、赤の他人のくせに、不思議に面差しが似ている。――俺はそれに騙されて、幾日も幾日も無駄にした上、三人も五人も余計な殺生をさしてしまった。ところでお常坊、昨夜、菊治は、また人殺しに出かけたのを、お前が追っかけて出て、赤羽橋で追いつき一生懸命意見をしたので、菊治も漸く自分で自分の心持の恐ろしさに気が付いて、双刃の刀をわが胸に突っ立てて死んだのだろう」