Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 139.179 Zeichen · 280 Bildschirme
黒い髪が藻のように揺れると、白い肌に絡んだ赤い腰巻が、水の中でメラメラと燃えるように動いたぜ。時々お松の顔が上にネジ曲げられると、恐ろしい形相で何やらを睨んだが、あの顔は忘れようたって忘れられる顔じゃねえ」
「それからどうした」
「漸く穴を抜けて龍の側へ浮いたが、力が尽きたか、すぐ沈んだ。水槽の水は見る見る真っ赤だ」
「もう一人のお村は?」
「格子の手前へ、ボンヤリ浮いたが、手にはまだ短刀を握っていた。一と目、お松のもがき苦しむ様子を見ると、追っ駆けられるように水槽の縁へ這い上がり、舞台へ転げ上がると、そのまま目を廻してしまったが、赤い雫が垂れそうで、一時はこの女も斬られたかと思った――」
「それからどうした」
「口上言いの男が着のみ着のままで飛込んで、下からお松の身体を抱き上げると銅鑼を叩いていた男が上から手を出して引上げた――が、もういけねえ、虫の息さ」
「傷は――」
「胸から腹へかけて、真一文字に斬り割かれていた、その物凄かった事」
「何か物を言ったか」
「何にも言わねえ。傷は深いし、水は呑んでいたし、引揚げると、唇を二三度動かしたっきり、息が絶えた」
「…………」