Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lisez 三国志(一) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 309 839 caractères · 622 écrans
四
思うことができないことはない。
――が、まだ一つ、残っている問題がある。帝位の廃立である。李儒はまた、側にあって、しきりにその実現を彼にすすめた。
「よろしい。今度は断行しよう」
董卓は、省中に大饗宴を催して再び百官を一堂に招いた。
四
洛陽の都会人は、宴楽が好きである。わけて朝廷の百官は皆、舞楽をたしなみ、酒を愛し、長夜にわたるも辞さない酔客が多かった。
(――今日は、この間の饗宴の時よりも、だいぶ和やかに浮いているな)
董卓は、大会場の空気を見まわして、そう察していた。
時分は好し――と、
「諸卿!」
彼は、卓から起って、一場の挨拶を試みた。
初めの演舌は、至極、主人側としてのお座なりなものであったから、人々はみな一斉に酒盞をあげて、
「謝す。謝す」と、声を和し、拍手の音も、しばし鳴りもやまなかった。
董卓は、その沸騰ぶりを、自分への人気と見て、
「さて。――いつぞやは遂に諸公のご明判を仰いで議決するまでに至らなかったが、きょうはこの盛会と吉日を卜して、過日、未解決におわった大問題をぜひ一決して、さらに盞を重ねたいと思うのであるが、諸公のお考えは如何であるか」