Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans
「誰にも、告げはしません」
「姉にもよう云うておけ」
「すぐ話して来ましょうか」
「待て」
吉次は、声を抑えて、
「おれは今夜立つとする」
「え。今夜のうちに」
「町の気はいも観てきたが、だいぶ余燼は冷めたらしい。六波羅の侍自身が、牛若の失踪は、神隠しだと云っているそうだ。どこまでも天狗が、頭から脱けないらしい」
「わたし達もよく耳にしました」
「どこで」
「諸処のお館で」
「牛若さまのうわさをか」
「ええ。あれが世にいう神隠しというものじゃろうと、平家の大将方も、お公卿方も」
「わずか十六歳の牛若さま一人を、六波羅の威勢をもっても捕まらないとなると、これは估券にかかわるからな。――それに鞍馬の僧院でも、当面の役人たちでも、神隠しという事にしてしまえば、誰にも責任は来ないわけだし、すべてに、その方が無難でもあるからな」
「あなたは、とんだ悪戯な神さまですね」
「おれかい。――いやおれはお使い役の木っ葉天狗さ。ご本尊は奥州の平泉にいらっしゃる」
女に心をゆるし過ぎてよかった例はない。吉次は、自分の口軽い調子を自分で戒めながら急に改まって、
「さっそくだが、おまえの衣裳を一揃え貸してくれ」