Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans

Aozora Bunko

七

殿っッ」

突然であった。

跫音も、ここの部屋までは来ない間にである。

「狼藉者が」

「夜討っ、夜討っ」

あわただしく聞えて来た。

うつらうつら眠っていた山木兼隆が、愕と、首をもたげて、

「何っ?」

と、酔眼をみはって見廻したとたんに、廂の上を、しゅるしゅるッと、力のない外れ矢の這う音がした。

「――あっ」

跳び起きて、うしろへ、

「長刀。長刀」

早口に呼んだが、侍女はもういなかった。逃げ転びながら、兼隆の足もとで、きゃッと悲鳴を立てたが、兼隆の耳は、もうその声にもうつろであった。

びゅんっ――

どこかで旺んな矢うなりがする。ここへも姿を見せない郎党たちが、はや射返しているのだなと知ると、兼隆は、一族の上にありまた、六波羅の目代という職にある自分の重責を胸によび起していた。

同時に、

「ぬかった」

と、悔いもし、その悔いに、総毛立つような怒りに燃えた。

「遂に、自暴自棄となった流人めが、あぶれ者を語らって襲せて来たか」

そう思った。――その程度にしか、この咄嗟、この事態にぶつかっても、彼には判断されなかったのである。

政子を奪われた事件でも、兼隆が胸をなでて、あのまま紛争の表面化するのを避けていたのは、