Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans
世間
一
世間
一
夜が明けると、その家の主らしいのが、炉にくべる薪を薪納屋へ取りに来て、非常な愕きに打たれた顔した。
「嬶。ちょっと来てみい。……いそいで。いそいで」
彼の妻も、厨から出て来て、主と共に首をならべて、そこをさし覗くと、息も止ったように眼をみはった。
薪の間に臥していた頼朝は、夜明けも知らず睡っていた。破れ廂の氷柱越しに、朝の光がその寝顔にさしていた。
白に彫った仏像みたいにその寝顔は気品にかがやいていた。やや面長で下膨れの豊かな相形である。何の屈託もないような鼾すら聞かれた。
「どこの童であろ? ……。何処から来て、こんな所へ」
ため息つくように、やがて主がつぶやくと、妻は、彼の耳へ口をよせて、猫や鳥にも憚るようにそっと云った。
「落人の子じゃろうが」
主は恟っと思い当った顔をした。黙ってうなずくと、足のつま先で歩むように、そこを離れて、妻に計った。
「どうしよう」
「訴えて出なされ」
「かあいそうじゃ」
「そんな事を云うたとて、きのうも何度、平家のお侍衆が、触れて来たことか。匿うたなどと疑われてみさっしゃれ、それこそ……」
「いや、不愍じゃ。わし達の仲にもあの年頃の子があるに」