Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans
四
頼朝は、唇をむすび、眼を一方にすえて、血の気も失せたような顔して始終聞いていたが、
「もう泣きたくありません。皆様も泣かないで下さい」
と、云った。
そして、少し頭が痛むと云い、その夜は早く臥床へ籠ったが、翌る日になると、どうしてもこれから東国へ行くのだと云い出し、延寿や大炊がどのように引留めても、かぶりを振って、ただ一人、そこを出て行ってしまった。
「父よ! ……。兄者人っ」
春もまだ浅い関ヶ原あたりの道をぽつねんと歩きながら、頼朝はうつつに時々さけんでいた。雲を仰げば雲の彼方に父やあると思われ、山を見れば山の彼方に兄やあると思われた。
「ない。誰もいない」
そして自分は十四になった。天下の孤である。そう意識し直すのだった。
四
尾張守平頼盛の家人弥兵衛宗清は、小侍十数名をつれて、京都へ上る途中であった。
頼朝は、道で行き会った。
しかし、うつつな彼は、近づくまで何の危惧も覚えなかった。平然と真っ直ぐに歩いて来た。それだけに宗清等の一行も彼を怪しみもしなかったが、他の旅人や百姓などが、道を避けて、わらわらと路傍に頭を伏せるのに、頼朝は、土下座する術を知らなかった。