Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans

Aozora Bunko

二

義経は、それらの名もない雑兵の必死な働きを見ていると、眼が熱くなった。

対岸の敵は、

「すわこそ」

と、射手をそろえて、河中の兵へ、箭をあびせかけた。そのために、作業は一しお困難を極め、最初にはいった工兵の半数はもう死体となって流されていた。

もちろん義経の身をも、矢うなりは絶えまなく掠めてゆく。

「楯のお内へ」

と、しきりに、周りの武将たちが、さっきから諫めていたが、耳もかさず、河中の兵に、熱い目をそそいでいた。

「――御大将が見ている」

死も生も考えない決死の兵ではあるが、義経がそこにあることは、勇気を百倍にさせた。

同じ死ぬにも、歓んで死ねるのであった。

孫子の曰う、

用兵の極致は、兵をして、

歓んで死なしむにあり。

意識的でなく、将としての義経の言動には、そのことばと合致するものがあった。

戦に立つ運命はひとつである。ここに立つからには、死は、怯勇無差別に向ってくる。

歓んで死ねる兵は、末代、そのたましいに生きがいの歓びをつないでゆくだろう。

義経は、ひとつひとつ、矢に中って、浮いては流れてゆく死骸に、

「おまえ達のいのちを、この後とも、あだにはせぬぞ」