Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans

Aozora Bunko

盛綱は、おかしがって語ったが、頼朝は、それは不愍なことだ、下賤の者を虐げたと聞えては、頼朝が生涯の汚名というものである。すぐ市へ行って、この品を、彼等に与えるなり、金に代えて、彼等に託して来いといいつけた。

盛綱が出て行くと、定綱も、

「ご用はすみましたか」

と侍部屋へ退がって行った。

思わぬ事件に半日は空しく過ぎた。外の炎天は、草いきれと、蝉の声ばかりに焦けていた。

「今から行っては、話す間もなし……帰りも暮れよう。明日にでも行ってみるか」

頼朝は、廂ごしに、夏の雲を見つめながら、胸のうちで呟いた。――この頃、箱根の別当の弟、永実から聞いたはなしに依ると、ここから二里ほど山へ這入った奈古谷という小部落の寺に、高尾の文覚上人という者が、罪を得て都から流されて来ている。

――先も流人、こちらも流人、一度会ってみたら都の消息などもいろいろ知れましょう。そう云った事が、頼朝の胸に、きょうは訪ねようか、明日は行ってみようかと、かなり前から宿題になっていた。

「が。――それも、考えものかな?」

彼の緻密な性分は、考えすぎて迷いに落ちる傾きもあった。一個の文覚を訪ねる事が将来にも今にもいいか悪いかとなると、深窓の息女へ文を通わすより、彼は、細心になるのだった。